東芝決算発表再延期、記者会見での室町社長の「責任」発言に唖然 

今年6月末の提出が2か月延期され、8月末に予定されていた東芝の有価証券報告書の提出が、その期限の日の夕刻になって、9月7日まで、さらに7日間延期されることが発表された。

東芝のような大規模上場企業が、決算発表を延期すること自体が異例だが、それに加えて、再度の決算発表の延期というのは、全く前代未聞だ。

提出期限ぎりぎりでの延期の発表をした室町正志会長兼社長が、午後8時から記者会見を開き、そこで、9月7日の再延長期限を守ることはできるのかと質問され、「できないとは想定していませんが、万が一、そういう事態になれば、重い責任をとります」「極端にいうと、進退問題を含めて考えなければいけない」と述べたとのことだが、再度の決算発表延期という前代未聞の事態を受けて会見を開いた社長の言葉とは思えない。

「再度の決算発表延期」自体が、本来、絶対にあってはならないこと、許されないことであり、社長の「責任」は、それだけでも限りなく重い。本来であれば、即刻辞任すべきだろうが、7日間の再延長後の決算発表を行うことが社長にとって重大な責任があるので、それを果たすために社長の椅子にとどまっているというのが一般的な見方であろう。

会見での質問は、9月7日の期限が守られるかどうかの見通しであって、守られなかった場合の責任など聞くまでもないはずだ。しかも、室町社長は、今回の不適切会計が行われた時期の会長であり、本来、責任を問われるべき立場だった。社長を兼任して会社にとどまっているのは、危機的事態にある東芝を救うことだけが目的のはずであり、それが果たされなければ即刻辞任は当然のはずだ。

それを「重い責任をとる」とか、「極端にいうと」「進退問題も含めて」という言葉が出て来ること自体が信じられない。 このような「責任についての無神経さ」は、東芝の経営陣全体に共通しているようだ。

 【引責辞任した3社長が東芝社内を闊歩】(日経ビジネスオンライン)などと書かれていることが事実だとすれば、東芝の経営幹部には、そもそも「引責辞任」ということの意味がわかっていないようだ。

 【「東芝不適切会計」第三者委員会報告書で深まる混迷】(プレジデント・オンライン)で私が指摘したとおり、本来の第三者委員会とは凡そ言えないような「第三者委員会報告書」の公表と「歴代3社長辞任」で幕引きを図ろうとしたこと自体が間違い。抜本的な問題を明らかにしないまま、前期末決算の発表をしようとすることに無理があった。経営幹部の無責任な姿勢に対する反発が一部の社員の反発を招き、内部通報が続くことにつながっているのだろう。

このような現状の東芝は、もはや、組織としての体をなしていないように思える。

 

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