契約をないがしろにし、司法手続きを無視する自転車競技連盟の暴挙

当ブログ【東京五輪に向けての選手強化を阻む“競技団体のガバナンス崩壊”】で紹介した、自転車競技連盟による松本整総監督解任問題に関して、昨日、東京地裁で2回目の審尋期日が開かれた。

前回のブログ【自転車競技連盟総監督解任決議問題、連盟の混乱極まる】でも述べたように、解任権がないことの確認と解任しないことを求める仮処分の第1回審尋期日において、連盟側は、「答弁書をもって解任を通知する」と述べて、裁判官の目の前で、まさに審理の対象とされている「松本総監督の解任」を強行したのである。しかも、その解任の理由を問われても、「今後明らかにする」と述べるにとどまり、解任決議を行ってから6日も経っても解任の理由を全く示せないという混乱ぶりを露呈した。

我々松本氏の代理人弁護団は、司法手続無視の解任通知を撤回する機会を与えるため、解任決議の撤回を求める確答催告書を出し、連盟側に、法に従った対応を行う最後の機会を与えた。

しかし、その後今回の期日まで、催告書に対する連盟側からの回答は全くなく、昨日30日の第2回審尋期日において、連盟側は、解任決議を撤回するどころか、今になって、出し遅れの証文のような、凡そ理由にもならない解任事由を並べ立て、6月4日の解任決議を無理やり理屈付けようとしている。

その一つとして挙げられている「成績不振」は、松本総監督就任前と比較しての「成績不振」とは到底言えないものであり、前ブログでも述べたように、松本氏が、日本記録の数を大幅に増やすなど、総監督としての力を発揮して成果を上げていることを完全に無視している。

また、すでに最も軽微な連盟内の処分で決着しているパワハラ問題(それ自体も全くの冤罪であることは松本氏が一貫して主張しているが)を蒸し返して、それによって連盟と松本氏の信頼関係が損なわれたなどと主張している。

このような苦し紛れの解任理由を、今になって持ち出さざるを得ないのは、理事会決議というのが、最初から「解任ありき」で行われたものであって、ほとんど理由の検討もないまま決議されたことを示している。

今回の期日に出された書面と、期日におけるやり取りから、連盟側には、法や契約に従う意思も、仮処分という司法手続きを尊重する意思も全くないことが明らかになったといえる。松本氏代理人弁護団としては、もはや次の手段を講じざるを得ないと判断した。

このような連盟側の暴挙を主導してきたのが誰であるかは、わかっている。法人としての連盟だけではなく、そのような個人に対しても、法的責任を厳しく追及していく方針だ。法や契約を無視する行為を多数決で決めても、その損害賠償責任を連盟に負わせるだけで済む、と言う考え方を改めさせない限り、今回のような競技団体の暴挙はなくならない。

本日、連盟及び一部の理事に対する損害賠償請求等の訴訟を提起し、午後4時から松本氏本人が記者会見を行う。

自転車競技連盟という競技団体のガバナンスが問われている今回の問題、この提訴と記者会見で、局面が大きく変わることになる。

 

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弁護士
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